作文対策:高額作文教室の指導と親でも簡単にできる受験対策の方法
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親でもできる、何も書かせない作文指導とは
3年くらい前にも作文の動画を出しているのですが、
「うちも作文教室に通わせていたけど、全然書けるようにならない」
と言って、私が教えることになった子がいます。
その子たちのその後の話も交えて、リニューアルしてお話したいと思います。
ファイでは大して作文の練習をしていないが、賞をもらってくる子は沢山います。
今まで文章を書けなかった子でも、いつの間にか書けるようになっています。
これについて、大学受験を教えている先生からも、
「非常に合理的」
「大学受験の小論文にも通じる作文力がつく」
というお話を頂いています。
でも何か特別なテクニックを教えているわけでも何でもありません。
親でもできる簡単なことですので、ぜひ真似してみて下さい。
高額作文教室に通わせても書けるようにならない理由
SAPIX+高額作文教室に月6万円
それでも書けるようにならず、記述問題は空欄ばかりの子がいました。
添削はとても丁寧で何とか書かせようと頑張ってくれており、子どもに寄り添ったアドバイスをびっしり書き込んでいました。
でも1年通わせても変わらなかったそうです。
酷い作文教室ですと、一斉授業で
「この学校ではこういう問題が多くでるから、こういうときには、このようなことを書いておけばいい」
といった書き方を教えているところもあります。
実はこの塾は学校側でも結構有名で、みんなそっくりな作文になっているのです。
だから文章を見ると、「あぁ、あの塾の子だな」と採点していてもわかってしまう、とその学校の先生は話していました。
さて、高額作文教室に通っていた先ほどの子に必要な指導とはどんな指導でしょうか。
実は作文を書く練習ではなく、社会の勉強だったのです。
そして親に必要なのは、子どもを認めることでした。
この子は指示命令、英才教育で育てられてきていました。
そのため、子どもの意見を聞いたことがなかったのです。
私とお話するときも、隣に座る親の顔色を窺って、答える言葉を選んでいました。
親が気に入るだろう言葉を、親の様子を見ながら探していたのです。
しかしテストの時には顔色をうかがう親がいないので、書けなかった、というわけです。
作文は減点法なので、書けさえすれば困ることはありません。
減点される要素がなければ、点にはなります。
ただし、予想だにしない問題や、自分の意見を持っていない問題に当たった時に、全く書けなってしまいます。
そのため、子どもの意見を聞き出し、認めるだけで、作文は書けるようになるのです。
どんな意見を言っても受け入れる。
これが作文対策のベースとして必要な要素なのです。
なぜ作文教室は高いのか。作文教室の金額と内容
作文教室には数千円のものから、数十万円のものまで、多岐に渡ります。 とはいえ、数千円あれば1カ月の個別指導の授業料にもなることから、高額と感じているかたも多いでしょう。作文教室が数千円もする理由
本人の作文を読まないと指導が始まらない。 まず読むだけで時間がかかる。 添削も書き込みに時間がかかる。 他の科目の指導とは比べ物にならない労力がかかるため高くなりがち。 それでも安くする工夫として、題材とする文章やテーマは毎年同じものを扱うことにより、先生の指導準備の負担が軽くしている。 教える先生を固定する。 模範解答ありきの指導をする。←集団塾のオプション講座だと、一斉解説できる。 書き方のテクニックの指導←一方的なテクニック解説。自分で使えるようにする指導ではない。 当たり障りのない作文指導に徹する。(全員に当てはまる指導をする) 同じテーマで作文を書いている子を集めて、一斉に添削する。 大学生講師など、価格の安い講師に任せる。 音読させる。(時間つぶし、宿題による満足感の向上のため) とりあえず褒める。(褒めておくことは大切だが...ただ書かせても作文力は向上しない) これにより、作文本体を読み込まなくても、それなりの指導ができるようになります。数万円する作文教室の指導(高額作文指導)
添削が細かい。 子どもの作文力に寄り添った指導ができる。 書き方の提案をする。 音読を聞く(理解度を確認するための音読) とにかく褒める(再現性のある部分、強みになる書き方に対する具体的な褒め) 書き方のテクニックを、実際に使えるように指導数十万円する超高額作文指導
子どもの話を聞く。 背景知識を増やす。 受験校に対する思考のアプローチを行う。 指導時間数の確保(思考に影響を及ぼすためには、ある程度まとまった時間数が必要になる)塾の料金と効果は必ずしも比例しない、といつも話していますが、作文教室に関しては、どうしてもシステム上、子どもに寄り添った指導をしようとすればする分だけ、人件費や指導負担が掛かってしまうため、高額になりがち。
ただ、高額なら大丈夫かというと、結局のところ先生との相性も重要で、どれだけ寄り添ってくれるかは先生の力量次第となります。
高額だから安心とは言えませんが、成功率は高くなりやすいのは確かです。
最も、いくら課金しても、作文力の大半は家庭環境からの影響を受けることには違いがないので、指導と家庭環境、両方が整っていないと効果が薄いということは忘れないようにしましょう。
褒めておだてる作文指導は効果的なのか?
ファイに相談して下さる方に話を伺うと、「褒めているだけ」という話をよく耳にします。 でも作文教室ではどこも褒めることを基本としている所が多いのも事実です。 これにはちゃんと理由があります。まず第一に、作文を書くためには自分の意見を持っていないと書けない、というハードルがあります。
この自分の意見は、「意見を持ちなさい」といって持てるものではありません。
意見にするための周辺知識、説明する力がないと形にできません。
さらに、「説明する勇気」が必要になるのです。
受験環境に身を置いていると、他者との比較が基本なので、自信が持てない子は少なくありません。
そのため、思うことがあっても書けないのです。
好きなことを書いていいよ、と言われても、なかなか書けません。
まずは「書いても大丈夫なんだ」「自分の考えを主張してもいいんだ」と安心感を得なければ、書けるようになりません。
そのため、とにかく褒めて自信を持たせることに力を入れている作文教室が多いのです。
これ自体はとても合理的で、最初のステップのクリアには必要不可欠なことと言えるでしょう。
では褒めていれば書けるようになるのか、というと、そうでもありません。
受験では作文が評価されます。小学生の作文では、そこまで中身の良しあしは判断されませんが、中学、高校になって、薄っぺらい内容を書いていても、評価されなくなります。
そのため、書けるようになったら、次は中身の指導に移らなければなりません。
ところが、今まで自由に書いていて褒めてもらえたのに、ステップアップしたら褒めてもらえなくなる、という状況になると、途端に自信を失う子がいます。
これは褒めている内容に一貫性がないために起こります。
例えば、「ちゃんと400字埋められたね!」「ちゃんと漢字で書いてるね」と褒める塾があるのですが、この指導でステップアップすると、埋めても褒められない、漢字で書いても褒められない、という矛盾に直面してしまうことになります。
ところがただ褒めておだてるだけの指導をしているところでは、現実的にこのような指導が多いため、書けるようになっても点にならない、長文の記述には使えない、といった感じになってしまいがちなのです。
そこで大切なのが、ステップアップしても矛盾のない褒め、になるのです。
例えば、変な校則に対する作文で、「スカートの長さで勉強の質や量が決まるわけじゃないから、長さは自由にすべき」という自分なりの考えを書いたのはいいね。といった褒め方の場合、今後のステップアップでも自分の意見を出せること自体に褒める要素がありますし、その考えに対する意見交換をすることで、書き方の幅を広げることができます。
やはり高額作文指導では、このあたりの褒め方が上手だなと感じます。
つまり、褒めておだてることは大切ですが、褒め方にはコツがある、ということです。
一段ステップアップするためだけの褒めなのか、先々に通じてくる褒めなのか、は区別する必要があります。
褒めてるだけで伸びてないと感じる場合は、気にかけてみるといいでしょう。
では先々に通じる褒めをしてくれているはずなのに、書けるようにならない子が多いのはなぜでしょうか。
これは家庭での接し方に問題があると言わざるを得ません。
いくら作文教室で承認欲求が満たされても、家でそれを潰していたら、やはり書けるものも書けなくなるのです。
やりがちなのが、
「作文教室に通っているのに、この程度の文章しか書けないの?」
「漢字で書きなさいって言ってるでしょ」
「誤字脱字が多すぎ」
これらの否定が重なると、書くことに抵抗が生まれます。
なので、作文教室で行われている指導と矛盾のない接し方をできているかどうか、見直した方がいいでしょう。
親にもできる、点になる作文指導
ある程度かけるようになりました。でも全然点になりません。 このステップに来たら、テクニックの指導をするところがありますが、テクニックの指導は親にはできません。 ここでは親ができる、再現性のある指導を紹介したいので、テクニックの指導は割愛します。まず点になる作文で重要なのは、意見を持っていることです。
そして意見を持つためには、そのことについて、知っていなければなりません。
例えば、「子育てにおけるエンハンシング効果とアンダーマイニング効果の状況別有効性とその効果を高めるための工夫について説明しなさい」というお題があったとします。
殆どの方が「え?え??」となると思います。
大前提となる用語を知らなければ答えられないのはもちろん、用語を知っていたとしても、その状況に当てはまる自分の子育て経験を引っ張り出してきて、さらにその効果を高めるための工夫を考えなければなりません。
子どもの作文って、同じことが求められているんですよ。
大人から見たら対した事ないお題でも、子どもにとってはこんな感じなのです。
だから何を書いていいかわからない、何の意見もない、そんな状況になってしまい、よくわからないことをとりあえず書いてみるのです。
実際、この作文について、親に経験してもらうため、書いてもらった事がありました。
その結果、内容は褒めておだてるピグマリオン効果について書いてあったのです。
エンハンシング効果もアンダーマイニング効果も動機付けと行動についての効果で、褒めや報酬とも関連があるので、当たらずとも遠からず、といった内容でした。
つまり本当はよくわかっていないのに、それらしいことを書いてしまえば、書けなくはない。
そんな書き方をしているのが子どもの作文の現状なのです。
ということで、この現状を解決できれば、作文は書けるということになります。
ではどんなことをすればいいのでしょうか。
作文のお題になりやすいテーマに関する周辺知識を増やし、自分なりの考えを持たせておく、ということです。
では作文のお題になりやすいテーマとは何か。
実はこれはワンパターンで、ほとんどが社会問題なのです。
つまり、社会問題に対する知識があり、自分の意見も持っている、そういう子は作文練習をしなくても、書けるようになってしまうのです。
ファイでは雑談の会といって、くだらない事ばかり話しているのですが、それが大学受験の小論文にも通じると言われるのは、こういう理由からです。
くだらない事ばかり話していますが、そのテーマになるのは、身近で耳にしたことがほとんどです。
そして身近で耳にするものの大部分は、ニュースや他の人からの話が情報ソースになります。
すると結果的に受験の作文や小論文のネタになりやすいテーマについての周辺知識が増える。
だから作文を書くときに、書く内容に困らないのです。
ここまで来てしまえば、あとはちょろっとテンプレ的な作文の書き方を指導をするだけで、それなりの作文が仕上がってしまいます。
さて、親ができる、作文に通じることとは何なのか。
それは子どもと社会問題と関連する事柄について話し、子どもの意見を聞くことです。
それが習慣化するだけで、子どもの作文の力は劇的に上がります。
あとは実際に作文を書きながら、微調整していくだけです。
作文のテーマ一覧を無料公開しています。
私が指導するときも使っているもの、そのままになります。
実はこのテーマ一覧、塾や学校の先生が作文の練習をさせるのにも使っています。
余計なものを廃して、題材に特化しているので、使いやすいみたいです。
なのでご家庭で作文練習をする際には、ぜひ活用してみて下さい。
もちろんご家庭でうまくいかない場合はご相談下さい。
雑談するだけで何もしませんが、それなりに形になると思います。